カテゴリー「俳句」の記事

凧の名句集

凧きのふの空のありどころ (蕪村)

人の親凧を跨で通りけり (一茶   

二村の凧集まりし河原かな (正岡子規)  

人の子の凧あげて居る我は旅 (正岡子規)  

小き子の小き凧を揚げて居る (正岡子規)  

糸のべて凧の尾垂るゝ水田哉 (正岡子規)  

きれ凧や糸くひとむる鬼瓦 (正岡子規)  

忽然と凧落ち来る小庭哉 (正岡子規)  

凧三角、四角、六角、空、硝子(芥川龍之介)  

かの童まだ遠凧につながれる (林翔)  

われとあり天を知らざるわが凧よ (橋本多佳子)  

兄欲しや弟欲しや凧を買ふ (成瀬正とし   

凧とぶや僧きて父を失いき  (寺田京子)  

凧の影走り現る雪の上  (松本たかし)  

夕空や日のあたりゐる凧一つ  (高野素十)  

凧上げの手応へ残る夜の指  (佐久間尚子)  

凧小さし川の向うの知らぬ町  (辻田克巳)  

凧手繰る墓の背後の市街より  (澤木欣一)  

凧揚げて子の水飲むや眼は天に  (大熊輝一   

凧揚げて空の深井を汲むごとし  (福永耕二)  

凧糸につまづく母を歎く子よ  (中村汀女)  

凧糸ののびるばかりの怖ろしや  (岸風三樓)  

凧高し少年風をにぎりしめ  (島田まつ子)  

切れ凧や江越え丘越え麦は青  (東洋城千句)  

切凧の絵をうつぶせに麦の上 (篠原温亭)  

洋凧と云ふが血走る目を持てり (相生垣瓜人)  

屋根越しに刈田に落ちし凧引かる  (田川飛旅子)  

つなぎ凧どんどん地球が軽くなる (宮川としを)  

凧ひとつ浮かぶ小さな村の上(飯田龍太)  

凧糸の白のひとすぢ身より出て(桂信子)  

一縷にて天上の凧とどまれり (平畑静塔)  

大凧の魂入るは絲切れてのち(高橋睦郎)  

凧の糸天には見えず指に見ゆ(山口誓子)  

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ラグビー名句集

ラガー等のそのかち歌のみぢかけれ (横山白虹)

枯芝に祈るがごとく球据ゆる(横山白虹)

ラグビーのしづかにボール置かれけり (岸本尚毅 

フランスを診るフランスのラグビー医 (山口誓子)

まためくれラガーの背中めくれ易し (山口誓子)

ラガーらの雄しべのごとく円となる (加藤三七子)

ラガー等のパンツ串刺にて干さる (窪田英治)

ラグビーボールぶるぶる青空をまはる (正木ゆう子 

ガラス拭くたびラグビーのポール見ゆ (徳弘純 

ラグビーの死闘と別に雀群れ(森澪雨)

ラグビーや敵の汗に触れて組む(日野草城)

ラグビーの離り駆くるがみな斜め(岸風三樓)

ラグビーの地にでこぼこの大薬缶(宮川杵名男)

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おれ選名句集

iPhoneのメモに保存してた最初の「おれ選名句集」より:

 

鶏頭の十四五本もありぬべし

(正岡子規)

 

いくたびも雪の深さを尋ねけり

(正岡子規)

 

流れゆく大根の葉の早さかな

(高浜虚子)

 

落ちざまに虻を伏せたる椿かな

(夏目漱石)

 

滝の上に水現れて落ちにけり

(後藤夜半)

 

外にも出よ触るるばかりに春の月

(中村汀女)

 

封切れば溢れんとするかるたかな

(松山夏山)

 

水枕ガバリと寒い冬がある

(西東三鬼)

 

露人ワシコフ叫びて石榴打ち落す

(西東三鬼)

 

採る茄子の手籠にきゆあと鳴きにけり

(飯田蛇笏)

 

春ひとり槍投げて槍に歩み寄る

(能村登四郎)

 

戦争が廊下の奥に立つてゐた

(渡辺 白泉)

 

ピーマン切って中を明るくしてあげた

(池田澄子)

 

じやんけんで負けて蛍に生まれたの

(池田澄子)

 

初茸のどこか傷つくところあり

(嶋田麻紀)

 

きらきらと目だけが死なず鬼やんま

(加藤楸邨)

 

いきいきと死んでゐるなり水中花 

(櫂未知子)

 

うなぎ屋のうの字延びきる暑さかな

(川合正男)

 

かたちなきものへとかへる秋の雲

(高梨章)

 

ショベルカー木槿に触れて止まりをり

(堀本裕樹)

 

てざわりがあじさいをばらばらに知る

(福田若之)

 

春はすぐそこだけどパスワードがちがう

(福田若之)

 

夜のシャワー俺が捕つたら勝つてゐた

(黒岩徳将)

 

水槽の泡とらふぐを押し戻す

(トオイダイスケ)

 

商店街だんだんただの道の夏

(佐藤文香)

 

会計が済んでわたしの桃である

(友定王句会より)

 

水中花あなたは何も見なかった

(傍点鯖王句会より)

 

上巻を入れて下巻を出す鞄

(黒木理津子)

 

ごみ出しの帰りは手ぶら花南天

(るいべえ)

 

窓越しに君には見ゆる冬の雨

(藤井あかり)

 

自動ドアひらくたび散る熱帯魚

(岡田由季)

 

 

 

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おれ選・池田澄子名句集1

池田澄子さんの句は名句が多すぎて、おれの中では完全に別格なのである。

 

 

瞬いてもうどの蝶かわからない


じゃんけんで負けて蛍に生まれたの


潜る鳰浮く鳰数は合ってますか


セーターにもぐり出られぬかもしれぬ


ピーマン切って中を明るくしてあげた


迎え火に気付いてますか消えますよ

 

目覚めるといつも私が居て遺憾


死んでいて月下や居なくなれぬ蛇


口内炎へ舌行きたがる瀧の前


バナナジュースゆっくりストローを来たる


あめんぼがあめんぼを見る目の高さ


蚊柱の縁をうろうろしている蚊


秋風にこの形ゆえ我は人


蛇苺いつも葉っぱを見忘れる


短日の燃やすものもうないかしら


アマリリスあしたあたしは雨でも行く


ふたまわり下の男と枇杷の種


初恋のあとの永生き春満月


おかあさーんと呼ぶおとうさん稲光


未だ逢わざるわが鷹の余命かな  

 

(随時追加)

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おれ選名句集 1

おれ選名句集 1

 

三つ食へば葉三片や桜餅(高濱虚子)

 

二十のテレビにスタートダッシュの黒人ばかり(金子兜太)

 

きよお!と喚いてこの汽車はゆく新緑の夜中(金子兜太)

 

梅咲いて庭中に青鮫が来ている(金子兜太)

 

採る茄子の手籠にきゆアとなきにけり(飯田蛇笏)

 

新樹並びなさい写真撮りますよ(藤後左右)

 

わが背丈以上は空や初雲雀 (中村草田男)

 

接岸の流水なほも陸を押す(中村正幸)

 

指一つにて薄氷の池うごく(後藤比奈夫)

 

ともだちの流れてこないプールかな(宮本佳世乃)

 

絵のそとはうちの中なり月の旬 (佐藤文香)

 

南風吹くカレーライスに海と陸 (櫂未知子)

 


(2019年3月16日 徳山雅記 選 )

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名句メモ

 口内炎へ舌行きたがる瀧の前 (池田澄子)


「俺選名句」というメモもiPhoneメモ内に作っていたのだが、それもごそっと消えてしまったらしい。長い間かかって溜めたんだがな。

確か記憶では、


 瀧の上に水現れて落ちにけり (後藤夜半)


を最初にメモしたと思う。これはやっぱりすごい。

それにしても池田澄子さんの句も、自由というか人を食ってるというか、それでいて鋭い。
本当にそうだという実感がある。

二大瀧の名句だと思う。

どちらのタイプも、ああ俺もこういうのを作りたい、という気にさせる句だ。

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第二回鳥渡句会雑感

高円寺北口徒歩1分の「バー鳥渡」にて1月13日(土)に7名で開催。
(概要は https://chottokukai.blogspot.jp )

人数は丁度良いような、少しもの足りないような。
とはいえやはり、空間的にも時間的にも店長入れて8〜9名が限界ですね。

19時からの通常営業時間までには基本終わるようにしたいと思っており、
そのためコンパクトに約2時間で収まるようにする工夫として、事前選句方式にしています。
当日持ち寄り・当日選句だと、全体で3時間4時間平気で超えますね。

次回も参加者が7人だったら投句数4句にしたらどうかなと思ったりもしてますがどうですかね。

今回は安部さんの躍進がすごかったですね。逆選なしの6点で松谷さんと同点三位。
 
 霜柱歩調をあわせさくさくさく(安部誠)

 七草やひとくさがゆとなりにけり(安部誠)

の二句はリズムもいい上に、後半をひらがなでそろえたところなどは字面的にも楽しいですね。

あと、

 初景色雀の玉の散らばりて(安部誠)

は、じつに俳句らしい手慣れた感じの句でとても句会2回目には思えないです。(こう言っては失礼かもですが「かわいらしさ」も意外。「霜柱」句とあわせて、「まさかこの人の作とは!大賞」もぼくのなかでひそかに受賞してます)。

(↓続き)

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第一回「鳥渡句会」雑感4

それにしてもやはり「鳥渡」句会でいちばん期待していたのは、
「鳥渡る」の季語で名句が生まれてほしい、ということでした。

その点で、今回の得点では2位でしたが、

  鳥渡るかつての海の草の波 (comy)

は第1回を飾るにふさわしい「鳥渡」句だったと思います。

渡り鳥がたくさん飛来してくる干拓地をあらわすのに、
「かつての海」という言い方はめちゃめちゃかっこいい!
「の」の字の繰り返しも、波のような草のうねりを感じます。

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第一回「鳥渡句会」雑感3

お題について。

企画発想の段階から、「鳥渡る」または「渡り鳥」は必ずお題にしたかったのですが、
それはさておき、もうひとつのお題はやはり「写真」しかないと思いました。

そもそも、写真家広瀬勉が写真を展示するために作った場でやるからには、ということと、
また、この店の常連の、写真関係のお客様にも関心を持ってもらいたかったからです。

そういう意味では、

  手土産はフィルムケースの金木犀 (黒羽真知子)

が第一回の最高得点句として刻まれたのは本当によかったなと思います。

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第一回「鳥渡句会」雑感2

「鳥渡」で句会を開催するにあたり、じつは気にしていたことがあります。

それは自分があまりにも素人であり、また長嶋有さんに教わっている身でありながら、ほかで句会を主催するおこがましさにについてです。

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