語源についての的確な文章を発見。
http://209.85.175.104/search?q=cache:JVkvVXLIA4QJ:www5f.biglobe.ne.jp/~kenkyoni/undou.html+地球に優しい 訳語&hl=ja&ct=clnk&cd=5&client=safari
以下全文転載。
「地球にやさしく」の問題点
代表 仲津 英治
やさしい(優しい)という言葉は、対等もしくは目下のものに使う言葉ではないでしょうか。子どもとか動物にやさしいという言い方はあっても、子どもが親にやさしいとは言わないでしょう。
人類60億人を始めとし、太陽の恵みを受けて、3千万種類以上の生物を育んでいるこの偉大な母なる地球に対して、やさしいとはあまりに不遜で傲慢な感じがします。人間を高みにおいた感じを誰しもがもたれることと思います。
室町時代、卜部兼邦(神道家)が残した和歌に
天地(あめつち)の中にみちたる草木まで
神のすがたと見つつ恐れよ (兼邦百首歌抄)
があると知人から教わりました。
天地の自然物は産霊の神の表現であり、産霊の神がそこに現われており、自然に対する慎み、それが恐しこみ(かしこみ)の心を与えることになると神道文化会の解説にありました。
このように自然に親しみ、畏敬の念をもっていた日本人にはやはり「地球にやさしく」という言葉は相応しくないと思います。
1.「地球にやさしく」の語源
1970年代から始まり毎年4月22日をアースデイとする運動のHPを調べましたが、私の限りでは「地球にやさしく(い)」という言葉は見つかりませんでした。
環境省、NPOなどに照会しましたところ、スタートは欧米でよく使われている英語の Environmetally Friendly の和訳らしいという以上の情報は得られませんでした。
さらに遡れば、ドイツ語の Umwelt Freundlich の英語訳が Environmentally Friendly ではないかという説もありました。キリスト教にある「汝の隣人を愛せよ」に通じる言葉です。
2.「地球にやさしく」の日本での登場
「地球にやさしく」に関してマスコミ関係に照会しましたところ、朝日新聞から、続いて読売新聞から以下の回答がありました。
朝日新聞(抜粋) 『朝日新聞紙面にこのフレーズが登場したのは1989年で、家庭欄の「ひととき」欄に「地球にやさしく生きたいと思う」と使っています。』 読売新聞(要約)
『「地球にやさしい(く)」というフレーズをいつ、どこで、誰が最初に使い始めたかについては判然としませんが、1980年代の後半に環境保護に対する意識の高まりの中から生まれた言葉だと思われます。公式には1990年版の環境白書で使われており、「地球にやさしい足元からの行動に向けて」という副題がついております。そして「地球にやさしい」が流行したのは1991年です。この年の「新語・流行語大賞」で表現部門の銀賞を獲得し、講談社の方が受賞しています。』
この頃から、企業が盛んに商品の宣伝などに「地球にやさしく(い)」を使い始めたようです。
3.ドイツ語 Umwelt Freundlich と英語 Environmentally Friendly
ドイツ語の Freundlich と英語の Friendly の意味を辞書で引きましても、どこにも「やさしい」という日本語は出てきません。友達のように、友情のこもった、親切に、好意的な、友好な、温和な、慈悲深い、快いなどの意味合いが記されています。
一方、「やさしい」から英語を引きますと、Gentle、Kind、Tender などが出てきます。知り合いの欧米人、英語のニュアンスに理解の深い方々、にも伺いましたが、Friendly の和訳として「やさしい」はやはり該当しにくいと口をそろえます。「地球にやさしい」は大変な意訳であるようです。
知り合いのドイツ人にも確認いたしました。日本語もよくわかる方です。次のような回答が返ってきました。
『Umwelt Freundlich の Umwelt は、いきなり地球のような大きな存在をさすのでなく、身近な自分の住む環境(自宅の周り、隣人、自然環境など)を意味する。従って、Umwelt Freundlich には、「環境に謙虚に」という意味合いも含まれる。ドイツ人は Umwelt Freundlich という言葉を変えないだろうし、自分もそれでよいと思う。キリスト教に通じる言葉である。問題の「地球にやさしく」は、表現としては大きすぎ、もし「地球に」を前面に出すなら、「やさしい、やさしく」は不適切な日本語訳と言える。むしろ「地球に和する、調和する」のような訳の方がよいだろう。』
4.地球に謙虚に」という言葉を使おう。
訳語としての適正度を検討してみました結果、「地球にやさしい(く)」という言葉は「環境にやさしい(く)」をさらに発展させたもののようです。本来身近な「環境」を「地球」にまで拡大し、母なる地球にやさしくという副詞を被せています。二重の意味で意訳をしていると思われます。
英語の Environmentally Friendly の意味合いとは異なってしまっているのではないでしょうか。そのような立場に立っている限り、人間中心主義で、利己的で、他の生物はおろか地球そのものにも配慮しない感覚をもつことに繋がっているように思うのです。これではいけません。地球に畏敬の念を持ちながら、ここはやはり「地球に謙虚に」が最も適切でしょう。
「地球にやさしく」ではなく「地球に謙虚に」。この言葉を広げて行きたいと思います。因みに、友人を通じて米国ハーバード大の方に「地球に謙虚に」を英語に訳していただきました。
地球に謙虚に!Be Modest to the Earth!