いま人気の漫画の多くは、すぐれた「学習漫画」でもある
「ヒカルの碁」を読んでいてはたと思ったのは,
今絶賛されている漫画の多くは,ある未知のジャンルに対して
まったくの初心者の主人公が、新しいなにかを「知っていく喜び」
というものが非常にうまく折り込まれているということだ。
主人公と自分が一体になって、つぎつぎと新しい扉を開いてゆくようなワクワク感。
単に成長していったり強くなっていくだけではなく、
知らなかった世界を一つ丸ごと手に入れていくような、
知的お得感とも言えようか。
主人公は,作中で技倆や仲間を獲得し、どんどん成長していくわけだが、
じつは読んでいる方も、
知識という面で、確実に何か新しいものを得た、という変化を感じられる。
つまり、読む前と後とで、
自分も変わった(=成長した)かのような気にさせられる。
人気の漫画はそこがひじょうに上手く出来ていると思う。
「ちはやふる」
「とめはねっ!」
などが如実にそうだし、
「のだめカンタービレ」
もこの系統だ。
うんと古くまでたどれば、
「あしたのジョー」「エースをねらえ!」なども、基本、そうなのだと思うが、
まだストーリーのほうに比重がかかっており、
より具体的な”リアリティ”ということで言えば,
やはりこのスタイルは「スラムダンク」が確立し、洗練させたように思える。
(バスケはスポーツの中では比較的マイナー、という点も重要)
バスケというのは何人でやるのか,ドリブルの練習の仕方,
”庶民シュート”(レイアップシュート)、その動作の手順、
バスケにはバスケシューズというものが要るのだ、ということ、
リバウンドというもの重要さ…
作者は花道に、タイトルにもなっている「スラムダンク」をなかなか打たせてくれない。
そこに到達するまでに、覚えなくてはならないことが無数にあり,
それらをひとつひとつ、丁寧に描いていくので,
読者にも、花道と一緒に長い道のりを成長してきたかのような喜びが感じられるのだった。
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でもまあ、現実には存在しない世界での成長潭、たとえば
「DORAGON BALL」「ONE PEACE」「HUNTER×HUNTER」「NARUTO」
などが、じゃあ面白くないかと言うと、そういうことはない。
これらがなぜ面白いのか、の考察はまた別にやらねばなるまい。
